ふたつの影
歩きなれた駅前通り 影を並べた帰り道で
うつむく僕に気づかぬふりで はやり歌口ずさむ君
合わない鍵でいくつものドア 揺らし夢と座り込んで
話す言葉も力もなくし ひとりきりにもなりたくない
ごめんよ つぶやく僕を 見つめる君のひそめた眉が
今日は笑顔よりもいとおしくて 胸が熱い
トンネルの中の色に似た 夕暮れの町を二人で歩く
もう少しそばにおいでよ
僕のため息も 君の幸せも 通り抜けないよう
本当はこんな弱い僕を 君に見せたくはないけれど
眠れない夜が来るたびに 君の胸に帰りたくなる
ごめんよ 明日に続く 道がどこかもわからないけど
誰もいない僕の場所で いつか君と暮らそう
アルバムの中の色に似た 夕暮れの町を二人で歩く
あの頃よりも少し低い 空に見えかけた星にもう一度
手を伸ばしてみよう
アルバムの中の色に似た 夕暮れの町を二人で歩く
もう少しそばにおいでよ
僕のため息も 君の幸せも 通り抜けないよう